疑似葉腐病(象の足跡)

病原体:セラトバシディウム菌(2核のリゾクトニア菌)

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ラフやバンカー周りなど草丈の高い、刈り込みの少ない場所に発生しやすい。20~50cm前後のパッチやリング状になり、縁は赤褐色になることもある。葉身や葉鞘に紋枯様の病斑がみられる。発病株はラージパッチの場合と違い、引っ張っても抜けず、地上部のみが取れる。つまり病原菌は地上部に感染し、地下部までは侵害していないことによる。

【発生芝種】日本芝
象の足跡

菌の主な生息部位

 

発生芝種・発生時期

疑似葉腐病(象の足跡)

 

発生生態

ラフやバンカー周りなど草丈の高い、刈り込みの少ない場所に発生しやすい。コウライシバよりもノシバに発生が多く、フェアウェイよりもラフでの発生 が多い。ときにはティやコウライグリーンにも発生する。20~50cm前後のパッチやリング状になり、縁は赤褐色になることもある。葉身や葉鞘には紋枯様 の病斑がみられる。主として秋期によく発生するが5~6月の春期にも発生する。発病株はラージパッチの場合と違い、引っ張っても抜けず、地上部のみが取れ る。つまり病原菌は地上部に感染し、地下部までは侵害していないことによる。最近は日本芝にもダラースポット病が発生するようになり、大きなスポットは象 の足跡との区別が困難になった。 病原菌は春はげ症やイエローパッチのセラトバシディウム菌とは少し性質(感染適温、菌核形成量など)が異なるようである。また、ある種のセラトバシディウム菌はブラウンパッチなどのリゾクトニア病を抑制するという。

 

予防対策

乾きやすいところや肥料を少なくしたところは発生しやすい。また硫安などの酸性肥料で抑制される。土壌表層を酸性(pH4~5)にすると発生が抑えられる。リゾクトニア病害に有効な多くの薬剤で予防可能であるが、この病害のみを対象とした散布はあまり行われない。地域によるが秋期のラージパッチと象の足跡を同時防除できる薬剤で対応しているところが多い。

 

治療対策

発生してからの薬剤散布では病原菌の密度を低下させるが、症状の回復には芝の再生を待つことになる。ただ、未発生部分での予防にはなる。

 

Envuの推薦防除方法

SDHI剤、QoI剤、DMI剤の予防散布が効果的です。治療の場合、約1ヶ月を要します。

 

参考写真

疑似葉腐病(象の足跡) 26-1

印象的な赤みを帯びた象の足跡(コウライシバ 10月)

 

疑似葉腐病(象の足跡) 26-2

ラフに発生した象の足跡(11月)

 

疑似葉腐病(象の足跡) 26-3

乾燥状態で灰白色になった象の足跡(ラフ 11月)

 

疑似葉腐病(象の足跡) 26-4

DMI散布によりほぼ防除されたフェアウェイ. 無散布のラフには大発生(10月)

 

疑似葉腐病(象の足跡) 26-5

大発生して融合した象の足跡. 中にはダラースポットの併発も考えられる(11月)

 

プレイには関係ないが遠方からでも気付く象の足跡(ノシバ 9月)

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主として秋期から感染が始まる病気で、晩秋から大小様々な褐色~赤褐色のパッチが出現する。

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感染は主に秋期の気温が10~15℃のとき、即ち芝の冬枯れ(休眠)直前の時期に起こる。

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肥料不足の夏場のベントグリーンに発生し、気温が低下してくると自然消滅する。

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