白葉腐病(ホワイトパッチ)
病原体:担子菌類
肥料不足の夏場のベントグリーンに発生し、気温が低下してくると自然消滅する。しかし、発生すると1m以下のパッチまたはリングとなり、その輪郭は鮮明で、内側の芝は青白っぽくなるので人目につきやすい。エッジのところは菌糸が密集しているために白色となっている。
菌の主な生息部位
発生芝種・発生時期
注:わが国では冬~春の低温期に黄色~褐色のリングが発生する。病原菌はホワイトパッチ菌と同じかすがい連結をもつ担子菌である。病名は未決定であるが、この菌とホワイトパッチ、後述のホワイトブライトの病原菌とは極めてよく似ている。発生時期は異なるが病原菌は土壌の表層に分布していることなど共通点が多いことから、一つの病名として今後扱われるかもしれない。
発生生態
肥料不足の夏場のベントグリーンに発生し、気温が低下してくると自然消滅する。
しかし、発生すると1m以下のパッチまたはリングとなり、その輪郭は鮮明で、内側の芝は青白っぽくなるので人目に付きやすい。エッジのところに菌糸が密集 しているために白色となっている。かすがい連結といわれる特殊な構造をもつこの病原菌は土壌表面の2.5cm位までの浅いところにいるのでフェアリーリン グ病菌の場合とは異なり、スーパーフィシアルフェアリーリングとも呼ばれている。
予防対策
通常発生量は少ないので予防散布はされないが、前年に多く発生したところは夏前に薬剤散布すること。
治療対策
病原菌は茎葉部と土壌表面に存在するので防除は比較的簡単であるが散布水量は多くした方が効果的である。担子菌に有効な薬剤(DMI剤、SDHI剤や抗生物質など)の散布で防除は可能である。
Envuの推薦防除方法
担子菌類に有効なSDHI剤、DMI剤の予防散布が有効です。
参考写真
典型的なホワイトパッチ. パッチの縁は白っぽく、内側は青白くみえる. 縁が褐色の場合もある(ベントグリーン 9月)
担子菌の菌糸に形成される特徴的で診断に役立つかすがい連結構造(矢印). この形成により核が隣の細胞に移動できる(培養菌糸)
感染ベントグラスの葉鞘組織にも見られるかすがい連結(矢印)
根部にも感染している病原菌(矢印はかすがい連結、ベントグリーン 4月)
スーパーフィシアルフェアリーリングの症状. 数cm幅の褐色帯のリングが現れる(ベントグリーン 3月)
褐色帯の拡大写真. すべてのベントグラスが褐色になているわけではない(ベントグリーン 4月)