スプリングデッドスポット

病原体:オフィオスフェレラ菌などのETRI菌

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春、バミューダグラスの萌芽期に20~50cmの芽立ち遅れパッチとして現れる。発病芝を観察すると茎葉部は寒さで枯死したまま、葉鞘~地下部は黒色~黒褐色となっている。新芽は褐色になり新根はほとんど出ていない。

【発生芝種】バミューダグラス
スプリングデッドスポット

菌の主な生息部位

 

発生芝種・発生時期

スプリングデッドスポット

 

発生生態

春、バーミューダグラスの萌芽期に20~50cmの芽立ち遅れパッチとして現れる。発病芝を観察すると茎葉部は寒さで枯死したまま、葉鞘~地下部は 黒色~黒褐色となっている。特に太い根(古い根)は黒色である。新芽は褐色になり新根はほとんど出ていない。毎年同じところに現れ、気温の上昇とともに芝 の生育が旺盛になってくると健全芝がパッチ内に侵入して症状は軽くなっていく。

冬期間の長い地方、凍障害の起こりやすい寒い地方では発生・症状が激しくな る。冬期の冬枯れ(休眠)期間が短くて暖かい地方では症状は軽いが、寒い冬の年には発生が多くなる。病原菌の感染は初秋の芝生育後期から始まるが、芝は発病することなく晩秋からの低温によって枯れていく。病原菌は直立茎、ほふく根茎、根部などの表面に外着生菌糸として観察される。また根部内部の中心柱にも認められる典型的な外着生根部感染(ETRI)病である。

 

予防対策

秋に適度な硫安やカリ肥料を施用すると症状は軽減される。しかしやりすぎると(特に窒素肥料)発生を助長する。 秋期(15~25℃)は病原菌の活動が盛んであるのでこの時期に薬剤散布を行う。最適の散布はバーミューダグラスの冬枯れの約30日前といわれる。防除薬 剤としてはDMI剤などがある。

病原菌は地下部に潜んでいるため有効成分を土壌深くまで浸透させる必要がある。浸透剤入りの多水量散布(少なくとも 1L/㎡)が必須である。それでも症状を完治させるまでには2~3年の継続処理が必要となる。

 

治療対策

春に発生を気付いてからの薬剤散布ではその効果は判然としない。感染する秋期からDMI剤などの散布を始めること。

 

Envuの推薦防除方法

主に秋の日本芝休眠期前の散布が有効です。根部に感染するため、散布水量を上げるなどの工夫が必要です。場合によっては複数年かけて状態を改善していくことが必要となります。

 

参考写真

スプリングデッドスポット 15-1

スプリングデッドスポットの病原菌のひとつゴウマノマイセス菌の菌そう

 

スプリングデッドスポット 15-2

葉鞘表面に見られた強い裂片状を示す菌足(a)と地際近くの根部表面に見られた形態の異なる菌足(b)

 

スプリングデッドスポット 15-3

バーミューダグラスのみに発生したスプリングデッドスポット. 上の無発生部分は日本芝(フェアウェイ 6月)

 

スプリングデッドスポット 15-4

スプリングデッドスポットに感染したバーミューダグラスの根部(左). 健全(右)と比べて感染芝は地際、ほふく根茎、根部は異常に黒変している(5月)

 

スプリングデッドスポット 15-5

多水量(1L/m2)のDMI剤散布によるスプリングデッドスポットの防除
a:5月26日散布当日 b:翌年の5月26日の様子. 症状はほぼ無くなったがまだ完全ではなく2年継続散布の必要がある

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