疑似葉腐病(イエローパッチ)
病原体:セラトバシディウム菌(2核のリゾクトニア菌)
30~50cm大のパッチ型とリング型がある。寒冷地では黄色の(イエローパッチ)、温暖地では褐色の(ウィンターブラウンパッチ)色調になる。いずれも気温16℃以下で発生する。
菌の主な生息部位
発生芝種・発生時期
発生生態
30~50cm大のパッチ型とリング型がある。寒冷地では黄色の(イエローパッチ)、温暖地では褐色の(ウインターブラウンパッチ)色調になる。いずれも 気温16℃以下で発生する。侵害は地上部に限られるので暖かくなると自然回復する。しかし、春先の3月頃にはピシウム病やテイクオールパッチ、ミクロドキ ウムパッチなどと混同しやすくなる。さらに、晩秋~初冬にかけては同様の黄~褐色のパッチやリングが発生するがイエローパッチとは異なった土壌表面に生息するある種の担子菌が関与している。
予防対策
11~12月ころに春はげ症などに有効な薬剤(DMI剤など)を散布しておくと予防できる。排水不良のところは発生しやすくなる。また保温用ベントシートを長期被覆したり、グリーンを乾燥気味にするとイエローパッチの発生を助長する。
治療対策
発生してからの薬剤散布では低温期のため芝の回復が遅い。低温性のピシウム菌との混合感染もあるのでピシウム菌にも有効な剤の使用が確実な治療となる。
Envuの推薦防除方法
SDHI剤、QoI剤、DMI剤の予防散布が効果的であると考えられます。
参考写真
黄褐色、リング状のイエローパッチ(ベントグリーン 3月)
縁が赤褐色になっているイエローパッチ(ベントグリーン 3月)
発病した赤褐色ベントグラスの拡大写真(左端の1本は健全). 下位葉が赤くなっているが上位葉は正常である(グリーン 3月)
ベントグラスの細胞に侵入したセラトバシディウム菌の菌糸(3月)