さび病
病原体:プキニア菌
さび病は葉の上に明るい褐色の胞子の塊り(夏胞子堆)が肉眼でも見えるので診断はたやすい。秋期、晴天で朝露がよく降るころには特に大発生する。草丈と発生量とは相関が大きい。
菌の主な生息部位
発生芝種・発生時期
発生生態
さび病は葉の上に明るい褐色の胞子の塊り(夏胞子堆)が肉眼でも見えるので診断はたやすい。秋期、晴天で朝露がよく降りるころには特に大発生する。草丈と 発生量とは相関が大きい。さび菌は芝の傷口からは侵入できず、葉の気孔のみからである。またこの菌はサッチや土壌中などでは生活できず、生きた寄主細胞にのみに感染して生活する。このような菌を絶対寄生菌あるいは活物寄生菌といわれる。それゆえ、さび菌に感染しても株全体が枯死することはない。しかし、そ のまま放っておくと葉身は感染部位を中心に枯れていく。夏胞子によって伝染していくが、気温が低下し、環境が悪くなると感染葉上で暗褐色の冬胞子の塊り (冬胞子堆)となって休眠し、翌年の春にはめぎ科植物(Berberis)に感染し、そこで造られた特殊な胞子が芝への第一次伝染源となる。
予防対策
いくつかのラージパッチ防除剤はさび病にも有効であるため同時予防散布される。肥料が少ない管理は発生を多くする。
治療対策
DMI剤、QoI剤、多作用点阻害剤の散布で防除可能である。
Envuの推薦防除方法
DMI剤が有効です。散布後刈り込めばかなり景観やプレーヤーへの影響は改善します。
参考写真
プキニア菌(さび病)の赤褐色の夏胞子. これが飛散して病気が広がる
ノシバの葉上に発生したさび病(10月)
葉上の夏胞子の集団(夏胞子堆). 鮮やかな色が特徴である
冬になると夏胞子堆は暗褐色に変わり(矢印)、ほとんど人目に気付かない冬胞子堆(ノシバラフ 3月)
冬胞子堆の拡大写真. 夏胞子堆との色の違いがよくわかる
顕微鏡で観察すると柄の付いた胞子(冬胞子)が形成されている. 翌年の第1次感染源につながる
フェアウェイに発生したさび病(11月)
さび病にかかったブルーグラス(10月)