ケブカシバンムシ
害虫の食害:建材、その他(各種木材、特に古材を好む)
年月が経った古材を好んで食害するため、神社、仏閣、仏像、古い家屋などで被害が多い。古い木造建築物の被害は、ほとんどが本種によるものである。
// 特徴
成虫の体長は3.7~6.0㎜。体色は黒褐色~赤褐色体背面には褐色毛の斑紋をもつが、この斑紋は大きさ、形、明瞭さにおいて変異が大きい。触覚は11節で、先端の3節が大きい。幼虫は終齢幼虫で5.5~7.2㎜。乳白色で、C字状に腹側に湾曲する。
// 生態
日本全土に生息する。本種は年月が経った古材を好んで食害するため、神社、仏閣、仏像、古い家屋などで被害が多い。古い木造建築物の被害は、ほとんどが本種によるものである。成虫は6~8月頃に出現し、木材表面に直径3㎜内外の脱出孔をあける。加害樹種の範囲も広く、マツ、ヒノキ、クス、ケヤキ、ハンノキ、ブナ、カシなどの記録がある。産卵数が少なく、幼虫期が長いため、被害の進行は遅いが、成虫は夜行性のため発見しづらい上、被害箇所も目立たない所が多いため、被害に気づくのが遅れることが多い。
// 防除方法
神社、仏閣、文化財など貴重な建物では、建物全体を被覆してガス燻蒸することが多い。一般家庭ではガス燻蒸を行うことは難しい場合が多いので、残効性のあるピレスロイド系の薬剤で処理する。一般家庭における防除の基本は、ヒラタキクイムシなどの防除に準じて行えばよい。