コクヌストモドキ

害虫の食害:食品

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一見ヒラタキクイムシに似ているが、木材(建材)害虫ではない。小麦粉、米ぬか、砕米、その他穀物の大害虫である。穀物などに当初から発生するのではなく、コクゾウなどの他の害虫が加害して穀粉ができてから二次的に発生することが多い。

コクヌストモドキ

// 特徴

成虫は体長3~4mm。体色は赤褐色。頭部は複眼の前で幅がわずかに広がる。触角は棍棒状で、先の3節が幅広い。翅には点刻がある。幼虫は体長6~7mmで、体色は淡黄色。腹部末端には黄褐色の2本の突起がある。

 

// 生態

世界各地に分布し、日本でも全国各地に生息。年2~3回発生し、成虫の寿命は長く、200日以上に及ぶ。乾燥には強いが、低温には弱く、生育適温は32℃~35℃程度。成虫で越冬し、柱や床板の隙間や紙袋の折口の下側などに多数集まって潜伏する。翌春、気温の上昇とともに活動をはじめ、秋まで繁殖する。一見ヒラタキクイムシに似ているが、木材(建材)害虫ではない。小麦粉、米ぬか、砕米、その他穀物の大害虫である。穀物などに当初から発生するのではなく、コクゾウなどの他の害虫が加害して穀粉ができてから二次的に発生することが多い。

 

// 防除方法

発生源の食品(主に穀類)等の整理整頓が第一。本種は低温に弱いので、発生源となりえそうな食品はできるだけ冷蔵庫などで低温貯蔵するように心がける。駆除には市販のピレスロイド系殺虫剤など(エアゾール剤、燻煙剤など)を使用する。しかし、発生源が食品である場合には、殺虫剤の処理はできないので加熱して殺すか、発生量が多い場合には廃棄処分する。

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ノコギリヒラタムシ

ノコギリヒラタムシ

健全な穀粒を加害することはないが、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉を好んで食する。

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フタトゲホソヒラタムシ

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アズキゾウムシ

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貯蔵中のアズキ、ササゲ、エンドウなどを食害する種子害虫で、貯蔵豆の中で繁殖を繰り返す。

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クビレヒメマキムシ

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屋内では、地下の酒倉、食料倉庫、食品、生薬、植物標本などから見いだされる。

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ヒメカツオブシムシ

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広食性で、動物質の乾燥食品とくに削り節を加害する。また毛皮、毛織物、じゅうたんや生糸、蚕蛹、剥製標本なども加害する。

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ヒメマルカツオブシムシ

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幼虫は暗い所に生息し、動物質の乾燥食品、とくに干魚や鰹節などを食害する。毛織物、毛皮、動物標本なども食害する。

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カドコブホソヒラタムシ

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健全な穀粒を加害することは少なく、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉、カビが生じたものを好んで食する。

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ツヅリガ

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生産農家の倉庫などに極めて多く、貯蔵米の被害が大きいが、加工食品を加害することは少ない。幼虫は糸を吐き穀粒を綴るが、米で...

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ガイマイゴミムシダマシ

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砕米や穀粉、これらの加工食品をよく食害する。穀物倉庫、精米・製粉工場、飼料工場、鶏舎などでよく発生する。

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ノシメマダラメイガ

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食品害虫として最も多く見られる。主に穀物を食害するが、極めて広い食性をもち、貯蔵食品で最も問題の多い害虫として知られる。

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ジンサンシバンムシ

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乾燥植物食害虫で、朝鮮人参(にんじんをジンサンと読む)を食害するのでジンサンシバンムシという名前がついた。

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タバコシバンムシ

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元来、乾燥植物、薬草、乾燥食品の害虫であるが、これらに限らず様々なものを食害する。しばしば畳から大量発生し問題となること...

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ケブカシバンムシ

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年月が経った古材を好んで食害するため、神社、仏閣、仏像、古い家屋などで被害が多い。古い木造建築物の被害は、ほとんどが本種...

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コクゾウムシ

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成虫・幼虫とも米、麦、トウモロコシなどの穀類をはじめ、加工食品(干めん、マカロニ、きりいもなど)を食害する。

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