ヒメカツオブシムシ

害虫の食害:食品、衣類

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広食性で、動物質の乾燥食品とくに削り節を加害する。また毛皮、毛織物、じゅうたんや生糸、蚕蛹、剥製標本なども加害する。床材の継ぎ目に溜まったほこりから大量発生することもある。

ヒメカツオブシムシ

// 特徴

成虫は体長約4mm。体は黒色ないし黒褐色で長楕円形。上翅の点刻は密で顆粒状。幼虫は約9mm。赤褐色で同筒状。腹部の末端には長い数十本の褐色長毛の束をもつ。蛹は約5.5mmで、淡黄色で紡錘形。

 

// 生態

世界各地に分布し、日本でも各地に普通に生息する。成虫は年に1回の発生で、通常であれば、幼虫態で越冬し4~5月頃に蛹となる。5~6月より成虫が見られる。成虫の寿命は約1ヶ月で、幼虫期間は長く約300日に及ぶ。広食性で、動物質の乾燥食品特に削り節を加害する。また毛皮、毛織物、絨毯や生糸、蚕蛹、剥製標本なども加害する。床材の継ぎ目に溜まった埃から大量発生することもある。幼虫のかじる力は強く、包装食品に穿孔侵入することもある。また、幼虫は乾燥や飢餓に対し著しく抵抗力が強く、成熟幼虫では絶食状態で6ヶ月から1年は生存できる。

 

// 防除方法

清掃やクリーニングなどの日常の手入れと、発生源となる食品や絹や毛の製品、埃等を取り除き、整理・整頓することが第一である。カツオブシムシの好む干物、鰹節、けずり節、煮干などの保管には注意し、害虫が侵入しないように密閉容器などに保管する。タンスや衣装ケースには衣服用の防虫剤を入れる。発生したカツオブシムシを駆除するには、食品は過熱しても差し支えないものは過熱処理する。衣服等には風通しをよくし、日光に当てる「虫干し」も有効である。ひどい場合は勳煙剤などで処理を行う。

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カドコブホソヒラタムシ

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健全な穀粒を加害することは少なく、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉、カビが生じたものを好んで食する。

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