タバコシバンムシ

害虫の食害:食品、その他(乾燥植物、畳など)

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元来、乾燥植物、薬草、乾燥食品の害虫であるが、これらに限らず穀類、粉類、畳、香辛料、煮干、ペットフード、海苔、昆布などさまざまなものを食害する。しばしば畳から大量発生し問題となることがある。大量発生の場合、本種に寄生するシバンムシアリガタバチが同時に発生し、人が刺される被害が発生することがある。

タバコシバンムシ

// 特徴

成虫の体長は約2.5mm。体色は赤褐色~褐色。甲部は長楕円形。体全体が黄色の微毛で密に被われている。頭部は大きいが下方を向いており、背面からは見えない。幼虫の体長は約4mm。白色で弓状に曲がっている。

 

// 生態

日本では本州以南に分布。乾燥植物食害虫で、タバコの乾燥葉をよく食害するのでこの名がある。元来、乾燥植物、薬草、乾燥食品の害虫であるが、これらに限らず穀類、粉類、畳、香辛料、煮干、ペットフード、海苔、昆布など様々なものを食害する。しばしば畳から大量発生し問題となることがある。大量発生の場合、本種に寄生するシバンムシアリガタバチが同時に発生し、人が刺される被害が発生することがある。

 

// 防除方法

発生が認められた場合には、まず、発生源を見極めることが必要である。発生源が食品である場合には、殺虫剤の処理はできないので加熱して殺すか、発生量が多い場合には廃棄処分する。最も厄介なのは畳のわら床についた場合で、この場合、環境が安定していることと食料が無尽蔵にあることなどの理由で長期間、持続的な発生をみる。畳に発生が認められた場合の駆除は合成ピレスロイド系の薬剤をわら床に塗布したり、粉剤を敷き込んだりするが、臭いや人体毒性に対する不安から一般家庭では歓迎されないことが多い。その時は、ピレスロイド系の燻煙剤やエアゾール剤を使用する。畳を日光に当てる「虫干し」も有効な手段である。

その他の病害・害虫・雑草を探す

ノコギリヒラタムシ

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健全な穀粒を加害することはないが、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉を好んで食する。

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フタトゲホソヒラタムシ

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アズキゾウムシ

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クビレヒメマキムシ

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屋内では、地下の酒倉、食料倉庫、食品、生薬、植物標本などから見いだされる。

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ヒメカツオブシムシ

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広食性で、動物質の乾燥食品とくに削り節を加害する。また毛皮、毛織物、じゅうたんや生糸、蚕蛹、剥製標本なども加害する。

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ヒメマルカツオブシムシ

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幼虫は暗い所に生息し、動物質の乾燥食品、とくに干魚や鰹節などを食害する。毛織物、毛皮、動物標本なども食害する。

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カドコブホソヒラタムシ

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健全な穀粒を加害することは少なく、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉、カビが生じたものを好んで食する。

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ツヅリガ

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生産農家の倉庫などに極めて多く、貯蔵米の被害が大きいが、加工食品を加害することは少ない。幼虫は糸を吐き穀粒を綴るが、米で...

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ガイマイゴミムシダマシ

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砕米や穀粉、これらの加工食品をよく食害する。穀物倉庫、精米・製粉工場、飼料工場、鶏舎などでよく発生する。

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ノシメマダラメイガ

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食品害虫として最も多く見られる。主に穀物を食害するが、極めて広い食性をもち、貯蔵食品で最も問題の多い害虫として知られる。

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ジンサンシバンムシ

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乾燥植物食害虫で、朝鮮人参(にんじんをジンサンと読む)を食害するのでジンサンシバンムシという名前がついた。

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コクヌストモドキ

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小麦粉、米ぬか、砕米、その他穀物の大害虫。コクゾウなどの他の害虫が加害して穀粉ができてから二次的に発生することが多い。

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ケブカシバンムシ

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年月が経った古材を好んで食害するため、神社、仏閣、仏像、古い家屋などで被害が多い。古い木造建築物の被害は、ほとんどが本種...

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コクゾウムシ

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成虫・幼虫とも米、麦、トウモロコシなどの穀類をはじめ、加工食品(干めん、マカロニ、きりいもなど)を食害する。

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