ノコギリヒラタムシ
害虫の食害:食品
食性がきわめて広く、貯蔵穀類、穀粉の他菓子、乾果などの加工食品を加害する。健全な穀粒を加害することはないが、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉を好んで食する。
// 特徴
成虫の体長は約3mm、体色は褐色で光沢はなく、 黄褐色の短毛が生える。目は小さく、触角は先端が幅広くなる。前胸背には1対の縦のへこみがあり、縁側は鋸状、翅には4条の隆起線がある。オスはやや小型。幼虫の体長は3~4mm、触角は2節からなり、第2節は棍棒状で大きい。
// 生態
世界の熱帯~温帯地方に広く分布し、日本でも全国に生息する。年2~3回発生し、成虫の寿命は長く、6ヶ月以上にも及び、そのため卵、幼虫、蛹など各ステージのものをいつも見ることができる。越冬した成虫は5月頃から活動が活発になり、コクゾウやメイガなどに食害された穀粉や穀粒などに産卵する。食性がきわめて広く、貯蔵穀類、穀粉の他菓子、乾果などの加工食品を加害する。健全な穀粒を加害することはないが、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉を好んで食する。被害は7月、10月をピークとして、1年中侵入加害が見られる。
// 防除方法
発生源となる食品(主に穀類)の整理整頓が重要である。 部屋の隅などに落ちてカビが発生した食物から発生することもあるので、食べカスなどはすぐに掃除するように心がける。また、食品の保存には、密閉のできる容器を用いるようにする。駆除には、市販のピレスロイド系殺虫剤のスプレーを用いる。大発生している場合には、部屋の隅々まで薬剤の届く燻煙剤を使用するとよい。しかし、発生源が食品である場合には、殺虫剤の処理はできないので加熱して殺すか、発生量が多い場合には廃棄処分する。