フタトゲホソヒラタムシ
害虫の食害:食品、その他(カビが生えた場所から発生)
他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉、カビが生じたものを好んで食する。本種は、食品以外のカビの生えた場所からも発生することが多い。
// 特徴
体長は約2.0~3.5mm内外。体色は赤褐~褐色。触角先端は3節が球桿を形成する。胸背は正中部両側が広く浅くへこみ、前角はやや棘状に突出している。上翅は密に粗点刻列を具える。
// 生態
世界の熱帯~温帯地方に広く分布する。日本でも全国に生息する。ホソヒラタムシ類は野外では、樹皮の下、枯枝、枯草、などから発見され、主として捕食性であるが、食性が広く、貯蔵穀類、穀粉の他、菓子、加工食品などを加害する。健全な穀粒を加害することは少なく、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉、カビが生じたものを好んで食する。本種は、食品以外のカビの生えた場所からも発生することが多い。年に2~3回発生し、生活適温は25~28℃であるが、暖房等で室温が高ければ冬でも活動する。
// 防除方法
発生源となる食品(主に穀類)の整理整頓が重要である。部屋の隅などに落ちてカビが発生した食物から発生することもあるので、食べカスなどはすぐに掃除するように心がける。また、食品の保存には、密閉のできる容器を用いるようにする。駆除には、市販のピレスロイド系殺虫剤のスプレーを用いる。大発生している場合には、部屋の隅々まで薬剤の届く燻煙剤を使用するとよい。また、食品以外でカビが発生している場合は、防カビ対策を行なう。カビが生える環境を改善しない限り、再び発生することが多い。