コクゾウムシ
害虫の食害:食品
成虫・幼虫とも米、麦、トウモロコシなどの穀類をはじめ、加工食品(干めん、マカロニ、きりいもなど)を食害する。野外では水田や麦畑に生息している。
// 特徴
成虫は体長2.3~3.5mm。体色は赤褐色ないし黒褐色で、上翅には4個の赤黄色の不明瞭な紋がある。幼虫は約3.0mmで乳白色。各節に横じわが多く、よく肥満している。
// 生態
世界各地に分布し、日本でも各地で普通に見られる。年2~3回発生し、成虫は3月下旬頃~10月下旬頃まで活動する。成虫・幼虫とも米、麦、トウモロコシなどの穀類をはじめ、加工食品(干めん、マカロニ、きりいもなど)を食害する。野外では水田や麦畑に生息している。成虫は4~5月にマーガレットなどの白い花に好んで集まる。成虫の寿命は100~200日。本種の生活適温は28~29℃であり、15℃以下あるいは33℃以上では繁殖できない。成虫は木材の隙間やレンガなどの下で休眠の状態で越冬するが、一部は幼虫が穀粒内で越冬する。
// 防除方法
発生源の食品(主に米や麦等の穀類)の整理整頓が第一。本種は15℃以下の低温では発育できないので発生源となり得る穀類は密閉できる容器に入れ、冷蔵庫などで保存する。駆除には市販のピレスロイド系殺虫剤(エアゾール剤、燻煙剤など)を使用する。しかし、発生源が食品である場合には、殺虫剤の処理はできないので加熱または冷却して殺すか、発生量が多い場合には廃棄処分するしかない。