アミメアリ
害虫の食害:食品、その他
アリには比較的永続性の高い巣を作るものが多いが、アミメアリは決まった巣を持たず、餌を求めて適宜集団移動するのが特徴である。
// 特徴
体長は3mm内外。体色は頭部と胸部、腹柄節は茶褐色だが腹部は黒褐色で、丸く光沢がある。腹部の形態は涙滴型。頭部と胸部には光沢がなく、表面に細かい網目状の隆起が張り巡らされている。胸部の後方には、長く鋭い一対の棘がある。
// 生態
日本全国に広く分布する。森林とその周辺に生息するが、人家の周囲でも見られ、石の下や朽ち木などの隙間に集団でひそみ、そこで卵や幼虫、蛹を管理する。アリには比較的永続性の高い巣を作るものが多いが、アミメアリは決まった巣を持たず、餌を求めて適宜集団移動するのが特徴である。
また、家族の中心たる女王アリもおらず、いわゆる働きアリだけで産卵し繁殖する(多女王性)。産卵は、成虫になってからあまり年齢を経ていない若い働きアリが少数ずつ行う。夏季に大量発生し家屋に侵入して問題となることがある。
// 防除方法
アリ類の完全な駆除は一般的に困難なことが多い。巣を見つけ出すことは簡単ではないし、たとえ見つけたとしても雌アリは巧妙に逃走することが多い。このようなアリの駆除にはベイト法(食毒)が有効である。市販のアリ用のベイト剤をアリの出没する部屋や場所にまとめ置きしておく。働きアリは活発に顆粒の毒餌を巣へ運び込み、やがて巣を崩壊させる。なお、あまり数が多くベイト剤がすぐに消失してしまう場合は、砂糖水などに大量誘引させてから熱湯をかけて殺すという作業を何回か繰り返してから、ベイト剤を設置するとよい。