ヤネホソバ
害虫の食害:その他(苔類を食べる)
関東地方では成虫は年3回、4月上旬、7~8月、10~11月頃に発生し、蛹で冬を越す。屋根瓦や藁葺き屋根、板塀に生じる苔類に大発生することがある。
// 特徴
成虫の前翅長は9~11mm。全体が淡い橙黄色。(春~初夏の個体は灰色を帯びる。)幼虫は終令のものでは体長約20mm前後。頭部は黒褐色。体はやや平たく全体灰褐色で、暗緑色の不規則な小斑がある。
// 生態
本州、四国、九州に分布する。関東地方では成虫は年3回、4月上旬、7~8月、10~11月くらいに発生し、蛹で冬を越す。屋根瓦や藁葺き屋根、板塀に生じる苔類に大発生することがある。日陰の比較的乾燥した場所を好み、人家に多数侵入したり、軒などから糸を吐いて垂下したりする。
幼虫の刺毛に触れると皮膚に発疹ができたり、ぴりぴりと痛む。刺毛1本がわずか0.05~0.2 ㎜という非常に微小な長さのため、刺毛に触れた部分をこすった場合、これらがより深く皮膚に食い込みさらに症状を悪化させることがある。刺毛に触れた時は、その部分をこすらずにセロテープを貼り付けて刺毛を取るか流水で毒毛を洗い流すと良い。発疹や痛みは2~3日で治まる。
// 防除方法
本種は苔を食べるので、発生源となっている苔類の除去が第一である。このような毒蛾を駆除するには、集団でいるために多くの個体を一度に退治できることから、幼虫の時の駆除が最適である。殺虫剤による処理は、エアゾール剤や園芸用の乳剤などを発生源に直接処理するとよい。