ムナビロヒメマキムシ
害虫の食害:その他(建材に生えたカビを食べる)
特に、新築住宅の湿気の多くカビが繁殖した壁(漆喰)、床、畳などの下から多数発生することがあり、いわゆる不快害虫として問題となる。
// 鑑定根拠
体長は1.0~1.5mm。体色は暗赤褐色~褐色。前胸背板の側縁は広がり、上翅の点刻列は8条よりなる。触角先端は3節が球桿を形成する。
// 生態
世界共通種で、熱帯~温帯地方に広く分布する。ヒメマキムシ類は野外では、樹皮の下、枯枝、枯草、きのこ、ハチやアリの巣などから発見される。屋内では、地下の酒倉、食料倉庫、食品、生薬、植物標本などから発見される。特に、新築住宅の湿気の多くカビが繁殖した壁(漆喰)、床、畳などの下から多数発生することがあり、いわゆる不快害虫として問題となる。しかし、幼虫・成虫ともそこに生えるカビの胞子を食べるので、発見される場所の食物や物品を直接加害することはない。
// 防除方法
ヒメマキムシ類は湿度の高い環境でよく繁殖するので、窓や扉を開けて乾燥させ、畳は日光にあてるなどして除湿につとめることが大切である。また、本種はカビの胞子を食べるので、建物の防カビ対策を考える必要がある。生えているカビは消毒用アルコールなどで拭き取る。駆除には、一般的に市販のピレスロイド系殺虫剤など(エアゾール剤、燻煙剤など)を使用する。しかし、殺虫剤より防カビ剤の方が効果のあることが多い。