ホシチョウバエ
害虫の食害:その他
チョウバエ類は汚れた河川、浄化槽、汚泥の溜まった下水溝、畜舎の排水溝など、有機物の多い汚れた水域に広く発生する。成虫は特に春から初夏にかけてが最もよく見られる。一般に夜間活動性で、昼間は、湿気の高い厨房、風呂場、トイレなどの壁に静止している。
// 特徴
成虫は体長1.3~2.0mm。体色は灰褐色。体表には毛が密生している。翅は体のわりに大きく、菱形で横脈がなく、脈の上には毛が生えている。触角は15節よりなり数珠状。幼虫は成熟したものは体長約8mm。体色は灰色がかった白色。
// 生態
世界各地に生息し、日本でも全土に生息する。チョウバエ類は汚れた河川、浄化槽、汚泥の溜まった下水溝、畜舎の排水溝など、有機物の多い汚れた水域に広く発生する。成虫が普通に見られるのは4~12月にかけてであるが、暖房がきいている都市部の建物では冬でも活動することがある。本種は特に春から初夏にかけてが最もよく見られる。一般に夜間活動性で、昼間は、湿気の高い厨房、風呂場、トイレなどの壁に静止している。飛翔力は弱い。幼虫は水中では呼吸できず、呼吸管を水面上に出し、汚水中の汚泥の表面を這い回る。乾燥には非常に弱い。
// 防除方法
浄化槽や下水処理施設に発生するチョウバエの幼虫駆除にはスミチオンやピレスロイド系の薬剤やIGRなどが有効であるが、薬剤の人体、環境への影響を十分に考慮した上で、使用には細心の注意が必要である。成虫に対しては、市販のエアゾール式の殺虫剤等を使用すればよい。また、発生源である浄化槽や下水溝が特定できれば、十分に清掃を行い、そこからの排気管などに網を張るなどして成虫の侵入・脱出を防止するのも有効な手段である。