シバンムシアリガタバチ

害虫の食害:その他(甲虫類の幼虫に寄生)

Print page

一般のハチ同様、産卵管が毒針の役目をしている。成虫は夜間活動性で、夜になるとさかんに歩きまわり、就寝中の人を刺すことがある。

シバンムシアリガタバチ

// 特徴

成虫の体長はオスが約1.5㎜、メスが約2㎜。体色は赤褐色~黄褐色。ヒメアリ類に似るが、触角と腹部1、2節の形が異なる。メスは翅がなく、腹部の産卵管には毒針を持っている。オスは翅を持つものと、もたないものの2型がある。幼虫は紡錘形で淡黄白色。

 

// 生態

世界共通種で、日本では北海道から九州までのほぼ全土に分布する。外国からの侵入種と考えられる。寄生蜂であり、形がアリに似ているのでアリガタバチと呼ばれる。寄主はタバコシバンムシとジンサンシバンムシが主であるが、ヒョウホンムシやゾウムシに寄生した記録もある。年5回の発生が可能といわれ、ピークは夏である。一般のハチ同様、産卵管が毒針の役目をしている。成虫は夜間活動性で、夜になるとさかんに歩きまわり、就寝中の人を刺すことがある。刺されると、赤く腫れ、痒みを伴うが、3~7日後には大抵の人は治ってしまう。

 

// 防除方法

寄主となる甲虫類(タバコシバンムシとジンサンシバンムシ)の駆除が第一である。これらの甲虫類の駆除には、市販のピレスロイド系殺虫剤など(エアゾール剤、燻煙剤など)を使用する。また、これらの殺虫剤でアリガタバチも駆除することができる。