ジアミド系殺虫剤ってなに?

芝生に登録のある殺虫剤は様々な系統のものがありますが、今回は最近多くのゴルフ場で使われているジアミド系殺虫剤について詳しく見ていきます。

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///// ジアミド系殺虫剤の作用機構とは?

多くの殺虫剤は害虫の神経系に作用することによって効果を発揮しますが、ジアミド系殺虫剤は害虫の筋肉を異常収縮させることによって防除効果を発揮します。

 

///// 筋肉が収縮するとは?

 // 筋肉は筋繊維束が集まってできていますが、筋繊維束をさらに細かく見ていくと筋原線維が集まってできていることが分かります。

 // 筋原線維の内部ではアクチンフィラメントとミオシンフィラメントという2つのタンパク質が並行に並んでいます。

 // ミオシンフィラメントから突出しているミオシン頭部がアクチンフィラメントに対して櫂漕ぎ運動を起こすことによってアクチンフィラメントが引っ張られ(滑り運動という)、筋肉が収縮します。

 // この滑り運動を引き起こすきっかけとなるのがカルシウムイオンの放出であり、カルシウムイオンの放出を担っているのがリアノジン受容体になります。

ジアミド系殺虫剤の作用機構

 

///// ジアミド系殺虫剤はリアノジン受容体に作用する

 // ジアミド系殺虫剤はリアノジン受容体に作用しカルシウムイオンを異常放出させることによって、筋肉の異常収縮を引き起こします。

 // その結果、体収縮症状や摂食活動の停止などが起こり殺虫活性を示すことになります。

リアノジン受容体

リアノジン受容体

 

///// ジアミド系殺虫剤はどのように害虫の体内に取り込まれるのか?

有効成分を含んだ植物体等を害虫が食べることによって有効成分が体内に取り込まれ、殺虫効果を示す摂食毒(食毒)が主であると考えられています。

スジキリヨトウによる食害

 

ポイント

//// 殺虫剤もローテーション散布を!

ジアミド系殺虫剤は特にチョウ目害虫の幼虫に対して高い殺虫効果と長い残効性を示す、非常に優れた殺虫剤ですが、だからこそ連用しがちです。

殺虫剤にも抵抗性マネージメントは必要であると考えますので、殺虫剤もローテーション散布を心がけましょう。

殺虫剤のローテーション散布

 

///// エンビューからもついに発売!新規ジアミド系殺虫剤「テトリーノフロアブル」

 

 // テトリーノフロアブルの3つの特長

  • チョウ目害虫に対して高い殺虫効果と長い残効性
  • 甲虫目害虫に対してもチョウ目害虫と同薬量で登録取得
  • 優れた浸透移行性

 

テトリーノフロアブルについての詳細はこちらのページへ