北米におけるピシウム性病害の現況

北米におけるピシウム性病害の分類および効果的な防除方法について

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ピシウム性病害

高温・多湿状態が続く梅雨明け頃から、ピシウム性病害の防除は、ベントグリーン管理にっとって最も重要な課題の一つです。今回は、北米でのピシウム性病害(寒地型芝)の現況を解説します。今後の病害防除の参考にしてみてください。

 

北米では、寒地型芝のピシウム性病害は、感染部位[茎葉・冠部(Crown)・根部]に基づいて、主に下記の3つに分類されます。

  1.  Pythium Blight (赤焼病)… 感染部位:茎葉・冠部(Crown)

  2.  Pythium Root Rot (ピシウム病)… 感染部位:根部

  3.  Pythium Root Dysfunction … 感染部位:根部

 

// Pythium Blight (赤焼病)

Pythium Blight (赤焼病)

 

// Pythium Root Rot (ピシウム病)

Pythium Root Rot (ピシウム病)

 

// Pythium Root Dysfunction (ピシウムルートディスファンクション)

Pythium Root Dysfunction (ピシウムルートディスファンクション)

 

// 北米におけるピシウム性病害の分類

北米におけるピシウム性病害の分類

 

// 北米におけるピシウム性病害の防除の例

北米におけるピシウム性病害の防除の例

USのピシウム性病害

ピシウム性病害は数日のうちに感染が進展する(Chemson大学、Dr.Bruce Martin 提供)

 

// ピシウム病・赤焼病予防殺菌剤「シグネチャーWDG」について

シグネチャーは北米において、ピシウム剤またサマーデクラインの防除で、20年以上の実績のある殺菌剤です。 シグネチャーの成分、ホセチルは真の浸透移行性を有し、取り込まれた薬剤は、植物体内を上下方向に移行することが知られています。 作用性は今なお、研究段階にありますが、今までの研究において、植物自体に病害抵抗性を誘導すること、あるいは対象病害(ピシウム性病害)のエネルギー代謝経路に関わる解糖系の酵素群に直接働きかけ、殺菌(または抗菌)活性を示すとも言われています。 また、今まで低感受性病害の報告はなく、作用性を鑑みても抵抗性リスクは低いと考えられています。 シグネチャーは、プラントヘルス効果を有するストレスガード製剤を採用し、有効成分ホセチルによる病害防除を基軸に有害紫外線の選択的遮断あるいは植物の緑色維持することで、植物を総合的に健全に保ちます。

 

// 日本における「シグネチャーWDG」の登録について

シグネチャーWDGの適用病害表 

// 「シグネチャーWDG」の防除効果

ピシウム病に対する効果

対象病害虫発生状況:中 ※無処理の発病面積率11%
耕種概要:グリーピングベントグラス(品種:ペンA-1)ナーセリー
区制:1区4m2 2連制
処理年月日・方法:平成20年7月5日
提試薬剤を所定量の水で希釈し、園芸用ジョロで散布
調査月日・方法: 7月18日に発病面積率を目測で求め、防除価を算出

 

甚発生の赤焼病

甚発生の赤焼病. 水が溜まりやすいグリーン周辺や水ミチ、排水不良ヶ所に現れる(ベントグリーン 8月)

 

感染拡大中の赤焼病症状

感染拡大中の赤焼病症状は暗褐色で、その周囲は黄色味を帯びる(ベントグリーン 8月)